当社は2022年6月14日、伊万里事業所(佐賀県)にて建造しておりましたERICA NAVIGATION S.A.様向け、10万重量トン型ばら積み運搬船「ENERGIA AZALEA」を引渡しいたしました。本船は株式会社商船三井様が石炭の安全・安定輸送と経済性の両立を目指し当社を含む国内の複数造船所と共同開発したコンセプト「EeneX」次世代石炭船となります。

特長

1

本船は火力発電所向けの石炭を運搬し、鉄鉱石、穀物なども積載可能とするポストパナマックス型ばら積み運搬船であり、高い推進性能と省燃費性能、積み高の極大化を追求した船型としている。

2

貨物の揚荷役効率の向上のため、ホールド形状はダブルハル構造のボックス型としている。

3

バラストタンクの塗装性能基準(PSPC-WBT規則)を適用し、バラストタンクの腐食防止に努めることにより、船舶の安全性を高めている。

4

当社独自開発の『Namura flow Control Fin (NCF)』、および『フィン付き舵(Rudder-Fin)』、更にNCF後流の流場を改善する新開発の省エネフィンを装備している。その他にも、風圧力低減型居住区や低摩擦型船底防汚塗料を採用し推進性能の向上を図ると共に、電子制御式主機関を採用し燃料消費量の低減を図っている。

5

主機関および主発電機関には、窒素酸化物(NOx)排出3 次規制に適合した機種を採用した。主機関には排ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)を、主発電機関にはSCR(Selective Catalytic Reduction)を採用し、NOx排出量を低減している。更にはエア式船尾管シール装置を採用し、環境に配慮した構成としている。

6

機関部冷却システムには、セントラル清水冷却方式を採用し、船内メンテナンス作業の低減を図っている。

7

港湾内の汚水排出規制を考慮し、生活排水や雨水およびカーゴホールド洗浄水の船外排出を適切に管理すべく、汚水等の貯蔵タンクを装備している。加えて、船体中央部にもデッキの雨水用の貯蔵タンクを装備している。

8

バラスト水管理条約に適合したバラスト水処理装置を搭載している。

9

シップリサイクル条約にて作成が要求される有害物質一覧表(インベントリ)に関する船級符号(IHM Inventory of Hazardous Materials)を取得している。

主要諸元

船名

ENERGIA AZALEA

全長

234.92m

幅(型)

43.00m

夏期満載喫水(型)

13.58m

総トン数

58,773総トン

載貨重量

99,965重量トン

主機関

MAN B&W 6S60ME-C10.5 1基

定員

25名

船級

日本海事協会( NK )

船籍

リベリア

その他のバルクキャリアー建造実績